今日、杜の都が静かにわたしを原点へと立ち返らせてくれた
第44回全日本大学女子駅伝対校選手権大会(杜の都駅伝)が開催された
選手が力走する映像とともに懐かしい仙台の街並みがスクリーンに現れる
定禅寺通りのケヤキ並木と北四番丁の生活の匂いそして台原へ向かう上り坂
それらは駅伝の舞台であると同時にかつてのわたしが苦悩し模索し歩き続けた場所でもある
仙台での生活がなければいまのわたしはまず間違いなく存在しない
それほど大きな人生の転換点だった
弘進ゴムアスリートパークのブルートラックを踏み10,000mに臨んだあの日から
ランナーとしてだけでなくひととしての歩み方が着実に変わっていった…
勾当台公園でも仲間とともに走り方を学び呼吸を整え前へ進む感覚を確かめていた
映像を見ながら定禅寺通りからの角度で市役所側に広がる足場が目に入り おや?と思った
昨年仙台国際ハーフを走った際には勾当台公園へは足を運ばなかったため気づかなかったが
市役所の建て替え工事によって景観が大きく変わっていたのだろう
街の輪郭が変わるときそこに刻まれた記憶もまた新しい形で浮かび上がる
杜の都仙台はわたしの朽ちかけていた人生の根を育ててくれた場所であることを改めて思い出した
当時知り合った不動産会社社長が“マラソンに出会えて人生が変わった”と語っていたことがある
その頃のわたしにはあまり響かなかった言葉だがいまは心から共感できる
仙台で走り始めた時間からわたしの人生の歩き方そのものを変えたからだ
この夏、米田監督とお話した際に 『今年は創立100年にあたる特別な年なんですよ』とともに
ある意味深な言葉を聞いていた
今大会は登録メンバー10名のうち4名が一年生からのエントリーであり
結果を見た今となってはあれはまさに木村真桜さんのことだったのだと自然に腑に落ちる
すでにネットニュース等に掲載されているように驚天動地天地創造驚愕衝撃度120%の激走ぶりは
ルーキーとは思えない落ち着きと勝負度胸で流れをつくり絶対女王だった頃の走りを彷彿とさせた
米田監督のあの言葉は単なる勝利ではなくスポーツ文化を未来へつなぐ確固たる意志だと気づいた
名城大学は過去の大会記録を大きく上回るタイムで女王の座を奪還した
ただ勝ったのではなくチーム全員の覚悟を示した走りだった
走れなかった瀬木主将の涙は悔しさではなく
仲間が自分の思いを背負って走ってくれたことへの深い感謝だろう
ぶっちぎりの大会新記録という結果はその涙を誇りへと変える走りだったように思う
思うように走り込みができないプレシーズンでランナーとしての不安が募る日々だが
こうして3年ぶりの女王奪還はわたしの背中をやさしく押してくれる出来事となった
名城大学100年の歴史がわたしの人生の原点と響き合った瞬間でもあった
この結果を誰よりも喜んでいるのは米田監督だろうと、ふと思った
創立100年という重圧の中チームを導いてきたその背中を長い年月の中で見てきた
夏に交わした時に聞いていた『一年生次第でしょう!』というあの言葉は建前ではなく
女子駅伝部の未来を信じる監督の本心だったと今日のレースが証明してくれたのだ
大会新記録での女王奪還──
その瞬間に立ち会えたことがわたし自身の原点を呼び起こしたように
監督にとってもまた長い歴史の中で特別な一日になったはずだ
米田監督、本当におめでとうございます
名城大学の100年の歩みを未来へつなぐその姿勢に心から敬意を抱いています
年末の富士山女子駅伝での二冠達成はもちろん
米田監督が提言した高大連携の一環として本格強化を進める附属高校が挑む愛知県高校駅伝にも注目したい

