8月30日の楽天戦で埼玉西武ライオンズの栗山巧選手が引退試合を迎え
現役最終打席で通算2152安打を放ちました
最終セレモニーで涙を流し25年間のプロ野球人生に幕を下ろしました
野茂くんが駆けつけるような選手になったことが誇りでもあります
こんにちは、リボーンダイバーズのイソタクです
本日わたしは堂々とこのページを完全私物化し【号外】という形式にて栗山選手への思いを綴りたいと思います
西武ライオンズの「背番号1」は、かつて秋山幸二さんが体現したように
走攻守すべてにおいて突出した者だけが許される絶対的な背番号でした
俊足・強肩・豪快なスイングそしてド派手なパフォーマンス
球場の空気を変える存在感
「背番号1」は才能と迫力の象徴だったのです
しかし、2008年の優勝を境にこの番号は静かに姿を変えていきます
俊足ではない 強肩でもない 派手なスター性を纏うわけでもない
それでも毎日同じ場所に立ち続け同じ姿勢で同じ重さの努力を積み重ねる男がいたのです
栗山巧選手
2008年の日本一
最終戦となった東京ドームは躍動感溢れる若獅子の力が凝縮された試合となりました(渡辺久信監督談)
片岡選手の快足、中島選手の華麗な打撃、この日の対戦投手となったイケメン岸投手がチームを牽引し
紙面もテレビも彼らを主役として扱っていました
栗山選手は派手な数字を残したわけでもなく優勝の象徴として語られることも少なかった
しかし―― 18年後の引退試合、その主役たちが栗山選手のために顔をそろえました
かつてチームを彩った仲間たちが「背番号1」の最後の一日を見届けるためにベルーナドームへ集結しました
主役ではなかった若手が時を経て主役たちを呼び寄せる存在になったのです
その変化こそが栗山選手の25年を最も美しく語る物語であるように思います
FAで去る選手が当然という球団にあって栗山選手はずっと前から静かに決めていました
『自分の居場所はライオンズだ』
毎年の契約更改で淡々と迷いなく同じユニフォームを選び続けました
才能ではなく帰属意識
スター性ではなく誠実さ
「背番号1」は栗山選手によって愚直の象徴へと姿を変えていきました
栗山選手の打撃練習は派手さとは無縁だったように思います
豪快なフルスイングでも力任せの打ち込みでもない
同じフォームで同じ軌道で同じリズムで淡々と黙々と積み重ね
試合前のルーティンも引退試合まで同じでした
かつてルーキーイヤーにセンターの座を栗山選手から奪った秋山翔吾選手でさえこう語りました
『栗山さんの打撃レーンはいつ見てもボールが転がっている』
若手が迷えば黙って隣で打つ
調子を崩した選手がいれば何も言わず同じ時間帯に練習に現れる
言葉ではなく背中で示すキャプテンシーは最後の試合まで健在でした
八回裏二死
最後の応援歌が消えドーム内がふっと息をひそめました
張りつめた静寂の中、泰投手の初球が放たれ栗山選手のバットが迷いなく走る
乾いた快音とともに打球はセンターへまっすぐ抜け静寂は歓声へと一気に変わりました
25年のすべてが詰まっていた
俊足でもない強肩でもない派手なスター性を持つわけでもない
それでも毎日同じ場所に立ち続けた者だけが打てる中前打でした
栗山選手25年間ほんとうにおつかれさまでした
そしてありがとうございました
栗山選手の引退を見届けた今あらためてわたしのベストナインを記してみます(敬称略)
1番 松井稼頭央 (6)
2番 平野 謙 (9)
3番 秋山 幸二 (8)
4番 清原 和博 (3)
5番 デストラーデ(D)
6番 石毛 宏典 (5)
7番 栗山 巧 (7)
8番 伊東 勤 (2)
9番 辻 発彦 (4)
先発 松坂 大輔 (1)
これは栗山選手がライオンズ史の中心に到達した証明そのものだといえます
黄金期を築いた名選手たちの中に栗山選手が自然に違和感なく並んでいるのですから
そして6番 石毛 宏典 (5)
成績だけでいえばこのポジションに名を刻むべきは中村剛也選手でしょう…
数字で語るなら疑いようのない正三塁手です
しかし、獅子党40年のわたしはあえて石毛さんを据えています
理由はひとつ
ムードメーカーはこの人しかいない
黄金時代の西武ライオンズは才能だけで勝っていたわけではありません
石毛さんが作るグランド内外での空気感
石毛さんが整えるチームの雰囲気
石毛さんがチームに与える温度が勝利の背景には確実に存在していたのです
事実として絶体絶命のピンチには石毛さんがホットコーナーからナインを鼓舞し
AKD砲の後ろで試合の決定打を放ったあの頃こそ無類の強さを発揮していました
そして今
わたしはこのポジションをさんぺいに奪ってもらいたいと思っています
成績だけではない
数字だけでもない
仲間を動かせる選手
チームの空気を変えられる選手
球場の絶対温度を上げられる選手
もうひと花咲かせていただきましょう!
栗山選手が「背番号1」の意味を変えたように
中村選手にも三塁手というポジションの意味を変えてほしい
本来石毛さんは遊撃手で選出すべき選手ですからね…
さて
「背番号1」の物語は秋山さんから始まり栗山選手でひとつの到達点を迎えました
そして、ライオンズの歴史は、また新しい「背番号1」を待っているのです
最後まで読んでしまったあなたはもう正真正銘のレオファンです笑

